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![]() それだけの値段を払う価値があるもの。 実はなかなかない。 「そんなものだろう」とされている世間の相場に、いつの間にか慣れさせられてしまっているだけのことが多い。 家賃であれ、車の値段であれ、ハンバーガーの値段であれ、公共料金であれ。 今、800円くらいのラーメンはざらに存在する。 「みんな、こんな値段でラーメンなんてよく食べるなぁ」と僕は時々思う。 それだけの価値があると思っている人が世間に大勢いるから成り立っているのだろう。 ちなみに、僕は年間に150~200杯のラーメンを食べる。 ラーメンの値段は、余程のことがない限り基本的に無視して、食べたいと思ったら、無駄なことは考えずに食べる。 けれど、値段に対する価値があると思えるラーメンは1年間に数杯しか出会わない。 確率の低いギャンブルを続けている愚かなギャンブラーのようなものだ。 今、コンビニでは淹れたてのコーヒーを100円で売っている。 しかも、そこそこ飲めるコーヒー。 そんな時代に、店でコーヒー代に何百円も払うということは、コーヒーそのものが圧倒的に美味いか、店にコーヒー以外の付加価値があるか、どちらかだ。 この店のコーヒーを初めて飲んだ時、すごく複雑な旨味を感じるのに何か物足りなさも同時に感じた。 それは、雑味がまるでないからだ。 つまり、普段飲んでいるコーヒーの雑味に慣らされてしまっている自分にとって、それがないことが違和感になっていたのだ。 飲み進めて行くうちに、自分がいかに毒されていたかがどんどん分かってきて、コーヒーの美味さに感動を覚えていた。 最初に訪れた日にガテマラとマンデリンを飲んだ。 別の日には、モカとダーク240℃ブレンドを飲んだ。 当たり前かもしれないが、明確に違いを感じさせてくれるコーヒー。 僕が一番好きなのは、ダーク240℃ブレンド。 スモーキーで苦味が強く、煙草を吸わない僕が煙草を吸いたくなるようなコーヒー。 深夜映画を観終わった朝に飲みたくなるようなコーヒー。 しかし、一番感動したのは、モカ。 まるでタイプじゃない女だけど、いい女と認めざるを得ない女のようなコーヒーだった。 僕は恐らくこれからも余程のことがない限りモカを注文することはないけれど、間違いなく忘れられない味のひとつになった。 行列が出来ることもなく、席の争奪戦が繰り広げられることもない、たった4席の店。 それでも、間違いなく価値のあるコーヒーを出す店だ。 <今日のコーヒー> GUILD COFFEE(神楽坂) ガテマラ・アンティグア・ヘクターレアル(ストロング) 650円 (周囲の広告は、当ブログとは一切関係ありません) #
by matchan-h
| 2014-08-04 14:30
| コーヒー
![]() 今は昔。 かつて、古文の時間にこの言葉を習った時、なんて端的な言葉かと感嘆したのを覚えている。 「今では昔のこととなってしまいましたが」を省略して、文法的に矛盾していても、文化として共通理解を持って認識するこの感覚。 まさに、この<今は昔>という言葉を痛感させられるのが、僕が生まれ育った大阪・天王寺という街。 久し振りに大阪に帰った。 帰ったと言っても、実際には帰る家もなく、妹の家に世話になった。 今、妹夫婦が住んでいる家は、かつて祖父母が食堂をやっていた場所。 僕たち兄妹は、学校から毎日その祖父母の家に帰っていたから、多くの時間をその場所で過ごした。 祖父母が亡くなった後、綺麗に建て替えて暮らしている。 その近所の家もほとんど建て替わってしまって、かつての商店街の面影はほとんどない。 それもまた、今は昔。 そこから徒歩5分ほどで大通りへ出たところに、新しいカフェが出来ていた。 「こんな場所に?」と思ったけれど、信じられないことに天王寺区は今では高級住宅地らしいから、こういうカフェが出来ても不思議ではないのか。 かつては、おやつだと言って、梅干しの種をしゃぶっているような同級生が普通に存在していた街だったが。 これもまた、今は昔。 オシャレだけれど、オシャレ過ぎない丁度いい塩梅の店構え。 自家焙煎を謳っているし、是非モーニングを食べようと思った。 その時は時間がなかったので、店の扉をちょっと開けて、店員さんに朝の開店時間だけを尋ねた。 丁寧に教えてくれた上に、歩き出した僕を追いかけて来て、名刺まで渡してくれた。 すごく印象がよく、「明日の朝、伺います」と僕は告げた。 結果的にすごくいい店だった。 近所にあったら絶対に通うだろうと思った。 写真でも分かるように、半枚のトーストとサラダとボイルドポテトとベーコンエッグにコーヒーがワンプレートになっていて、このモーニングセットが500円(!)とは安い。 イケメンの店員(店主?)さんが淹れてくれたコーヒーもなかなか。 ただ、このオシャレな雰囲気とは裏腹に、平日の朝の客のほとんどは近所の常連らしきオジサンばかりだった。 僕は逆にホッとしたのだが。 日本一高いビルが天王寺駅の横に建って人々を見下ろし、うんざりするような再開発が街の色彩と匂いをどんどん消してゆく。 それでも、ちょっと歩けば飛田新地は健在だし、古い商店街もまだ残っている。 かつて僕が作った「天王寺界隈のブルース」 といううたで描いた風景は、隅に追いやられながらもまだ細々と息をしている。 そんな中にこんなカフェも出来ている。 こういう混在が美しいのかもしれない。 <今は昔>というのも、それほど悪くないのかな。 <今日のコーヒー> The Coffee Market 勝山店(大阪・天王寺) モーニングBセット 500円 (周囲の広告は、当ブログとは一切関係ありません) #
by matchan-h
| 2014-08-04 09:27
| 喫茶店
![]() 時がピタッと止まっている。 それは、壁に掛けられた幾つもの古時計が、すべてそれぞれの時間を指したまま止まっているからだけでない。 風が完全に凪いでいるみたいに、流れている音楽さえも時を動かすことは出来ない。 同じように古い内装でも、渋谷「ライオン」では、時が砂と化して今もゆっくりと降り積もっているのを感じられるが、ここ高円寺「ルネッサンス」では、時は動くことをやめている。 そんな喫茶店。 かつて、中野駅前に「クラシック」というクラシック喫茶があった。 建物自体も内装も朽ち果てる寸前のような、ポツンと取り残された喫茶店。 僕も何度か訪れたことがあるが、惜しまれつつも2005年に閉店した。 その店の内装をそのまま移して作られたのが、この「ルネッサンス」という喫茶店。 残念ながら1軒家ではなく、ビルの地下ではあるが、扉を開けると次元の違う空間に誘(いざな)われる。 暖炉の中で薪が爆ぜるような音を伴いながら、古いレコードが鳴っている。 デジタルではあり得ない美しい音。 こんな風にして、魂は受け継がれている。 以前から訪ねたいと思っていた店だった。 ライヴのチラシを置きに行くという用事があったため、久し振りに高円寺に降り立ったから寄る機会を得た。 今読んでいる本が、塩野七生「わが友マキアヴェッリ」という正にルネッサンス期を描いた小説だったというのも不思議な偶然。 そんな偶然に導かれた時、また訪ねたい喫茶店である。 <今日のコーヒー> ルネッサンス(高円寺) 珈琲 400円 (周囲の広告は、当ブログとはなんの関係もありません) #
by matchan-h
| 2013-10-20 23:49
| 喫茶店
![]() あまりにも久し振りの更新。 こういう時は敢えて変に厳選せず、最近気になった喫茶店を。 中部地方では超有名で、関西や関東にも何店か出店している超メジャーチェーン店・コメダ珈琲店。 実は僕はまだ訪れたことがなかった。 それがなんと池袋の駅前(北口から徒歩1分!)に今年6月に出来たということを知り、行ってみた。 コメダ珈琲店というのは、僕のイメージも、恐らく実際も、郊外型の店舗が中心のはず。 それが池袋駅前に出店したというのはすごく意外だった。 これだけ低価格のカフェチェーン店が建ち並ぶ都会の駅前に、まともな値段のするコーヒーに対するニーズはあるのか。 勝算があるのか、それとも今後の戦略を考えた上でのアンテナショップ的な位置付けなのか。 いずれにしても、とても寄りやすい場所に出来た。 コーヒーに塩豆が付いて来るというのは、昭和40年代生まれの僕としては懐かしい。 全部が全部じゃないけれど、僕が幼い頃にはそういう喫茶店がまだ街に残っていた。 今でもちょっとシャレた喫茶店ではチョコレートやクッキーを出してくれるが、塩豆はなかなか見かけない。 ちょっと嬉しかった。 そして、ちょっとベタではあるけれど、初めてなのでシロノワールを注文してみた。 僕が食べたのはミニで390円(フルサイズは590円)。 デニッシュ生地のパンの上にアイスクリームとさくらんぼ。 その上にシロップを掛けて食す。 カロリーを気にしないなら、時々食べてみたくなる味。 なるほど、この店の代表作であり、ロングセラーというのが納得できる。 コーヒーが美味しいか、居心地がいいか、というのを問うべき店ではなく、こういう伝統的な喫茶店らしい喫茶店に行きたいという欲求をひたすら満たしてくれる店だと思う。 <今日のコーヒー> コメダ珈琲店・池袋西口店(池袋) ブレンドコーヒー 400円 #
by matchan-h
| 2011-07-11 21:49
| 喫茶店
![]() まずは、お詫びを。 昨年2010年は、実質1回しか更新しなかった。 読者数も少ないこのブログだが、このまま放置されて自然消滅すると思われていた方も多いかもしれない。 けれど、僕の中ではずっと更新したいという気持ちは継続していた。 更新しなかった理由は幾つかあるけれど、ほぼ言い訳なので敢えて書かない。 これからもまた超のんびりペースで更新する予定なので、気が向いた時、ここに書かれている喫茶店に行ってみたいと思った時、何処かに美味しいコーヒーを飲める店はないのかと思った時など、ふらっと立ち寄っていただければありがたい。 という訳で、ほぼ1年振り、そして、今年初の更新。 ここでもよく使う言葉だけれど、時々<まともなコーヒー>を飲みたくなることがある。 普段はファーストフードのチェーン店や大手のカフェ・チェーンでテイクアウトし、<コーヒー的なもの>で誤魔化すことが多い。 コーヒー飲みにあるまじき姿なのかもしれないけれど。 この店は、恵比寿駅から程近い大通りに面しているにもかかわらず、店の入口近くに巨大な焙煎機をどんと構えている自家焙煎の珈琲専門店。 しかも、ストレートコーヒーが500円とか600円で飲める。 この立地でこの価格はとても良心的だと言える。 だからと言って、格式ばってもいないし、コーヒー通以外は寄せ付けないような雰囲気もない。 ほんとうの意味でのまともな店。 美味いコーヒーを出す店は、ほぼ間違いなくネルドリップ。 この店も例外ではない。 銅の鍋、銅のポット、使い込まれているけれど清潔なネル。 当たり前だけれど、ちゃんと1杯ずつ豆を挽く。 こういう当たり前のことをちゃんとしてくれることが嬉しいし、それが最も基本的なサービスだと思う。 カップを近づけると、コーヒーの方から唇に寄って来るような親密感。 僕が今回飲んだグァテマラは、深い苦味の中に甘みの小さな小さな花がぽつんと咲いているような味わい。 コーヒーに爽やかな酸味を求めている方には全く向かない味。 目覚めた直後よりも、深夜の作業中に飲みたいようなコーヒー。 僕は好きだ。 ここは、本を読むためでも、女の子とのデートで寄るためでも、思索に耽るためでもなく、コーヒーを飲むために来る店のような気がする。 けれど、カウンターには背の高いパウンドケーキが何種類か置かれていて、僕の隣りでは品のある女性が独りでケーキを食べながらコーヒーを飲んでいた。 大人に居場所を与えてくれて、まともなコーヒーを出してくれる、実は貴重な店なのかもしれない。 <今日のコーヒー> 「ヴェルデ」(恵比寿) グァテマラSHB 500円 #
by matchan-h
| 2011-02-21 18:02
| コーヒー
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