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今は昔。 かつて、古文の時間にこの言葉を習った時、なんて端的な言葉かと感嘆したのを覚えている。 「今では昔のこととなってしまいましたが」を省略して、文法的に矛盾していても、文化として共通理解を持って認識するこの感覚。 まさに、この<今は昔>という言葉を痛感させられるのが、僕が生まれ育った大阪・天王寺という街。 久し振りに大阪に帰った。 帰ったと言っても、実際には帰る家もなく、妹の家に世話になった。 今、妹夫婦が住んでいる家は、かつて祖父母が食堂をやっていた場所。 僕たち兄妹は、学校から毎日その祖父母の家に帰っていたから、多くの時間をその場所で過ごした。 祖父母が亡くなった後、綺麗に建て替えて暮らしている。 その近所の家もほとんど建て替わってしまって、かつての商店街の面影はほとんどない。 それもまた、今は昔。 そこから徒歩5分ほどで大通りへ出たところに、新しいカフェが出来ていた。 「こんな場所に?」と思ったけれど、信じられないことに天王寺区は今では高級住宅地らしいから、こういうカフェが出来ても不思議ではないのか。 かつては、おやつだと言って、梅干しの種をしゃぶっているような同級生が普通に存在していた街だったが。 これもまた、今は昔。 オシャレだけれど、オシャレ過ぎない丁度いい塩梅の店構え。 自家焙煎を謳っているし、是非モーニングを食べようと思った。 その時は時間がなかったので、店の扉をちょっと開けて、店員さんに朝の開店時間だけを尋ねた。 丁寧に教えてくれた上に、歩き出した僕を追いかけて来て、名刺まで渡してくれた。 すごく印象がよく、「明日の朝、伺います」と僕は告げた。 結果的にすごくいい店だった。 近所にあったら絶対に通うだろうと思った。 写真でも分かるように、半枚のトーストとサラダとボイルドポテトとベーコンエッグにコーヒーがワンプレートになっていて、このモーニングセットが500円(!)とは安い。 イケメンの店員(店主?)さんが淹れてくれたコーヒーもなかなか。 ただ、このオシャレな雰囲気とは裏腹に、平日の朝の客のほとんどは近所の常連らしきオジサンばかりだった。 僕は逆にホッとしたのだが。 日本一高いビルが天王寺駅の横に建って人々を見下ろし、うんざりするような再開発が街の色彩と匂いをどんどん消してゆく。 それでも、ちょっと歩けば飛田新地は健在だし、古い商店街もまだ残っている。 かつて僕が作った「天王寺界隈のブルース」 といううたで描いた風景は、隅に追いやられながらもまだ細々と息をしている。 そんな中にこんなカフェも出来ている。 こういう混在が美しいのかもしれない。 <今は昔>というのも、それほど悪くないのかな。 <今日のコーヒー> The Coffee Market 勝山店(大阪・天王寺) モーニングBセット 500円 (周囲の広告は、当ブログとは一切関係ありません)
by matchan-h
| 2014-08-04 09:27
| 喫茶店
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