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小川洋子の「博士の愛した数式」を読んで以来、 <フェルマーの最終定理>というものがずっと気になっていた。 これは知っている人も多いと思うが、 何世紀にも亘って証明できなかった数学史上の難問のひとつである。 インターネットで調べて、この問題を巡る歴史の概略を知り、ますます興味深くなった。 僕は数学史について全く詳しくないが、 それでもこの問題を巡る歴史に登場する人物には僕でも知っている名前が幾つもある。 例えば、オイラーやガロアなどは門外漢の僕にも親しみのある名前だ。 そういう歴史上の数学者たちが、何世紀にも亘ってひとつの問題に血肉を注いで来たこと、それ自体が既に感動的である。 けれど、それだけではなくやはり根本的にこの<フェルマーの最終定理>というものの美しさが感動的なのだ。 xのn乗+yのn乗=zのn乗 nが2より大きい場合には整数解を持たない。 これはまるで、 「月は地球のそばにいるから美しい けれど ここから離れてしまったらただの土くれ」 というような詩を読んでいる気分にさせられる。 無限の闇の前で、 ほんの少し光の差す場所に立って手を広げている、 そんな印象さえ抱く定理である。 もちろん僕にはその問題の証明を理解することすら出来ないが、 この本(写真左・サイモン・シン「フェルマーの最終定理」)ではその証明への数学者たちの長年に亘るアプローチが素人にも分かるように、 かつ感動的に描かれている。 そこには、幾人もの数学者たちによって図らずしも行われた、 見えない魂のバトンリレーがあるのだ。 これは色々な意味でとても示唆的な物語だ。 安部公房の「方舟さくら丸」を中断しつつ、つい読み耽ってしまった。 今日のコーヒーは、 池袋の超有名店にして、高くて美味いコーヒーを出す店で久し振りに飲んだ一杯。 <今日のコーヒー> 池袋「皇琲亭」 モカ・マタリ 800円
by matchan-h
| 2006-06-07 22:26
| 本
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